Monday, September 7, 2020

Mike Rizzo球団社長と3年の契約延長

潜在的な懸案となっていたMike Rizzo球団社長との契約延長が発表されました。契約期間は、現契約が切れる今年末からの3年間で、2023年末まで。

2012年以降8年連連続で勝率5割を超え、2019年には球団史上初のWS制覇を成し遂げた現在のナショナルズを作り上げた立役者。シーズン開幕前にも契約延長の噂がありましたが、コロナ騒動やらなんやらで発表がないままで心配していました。引き続き、チーム運営の要となることが決まり、ほっとしています。

次は、やはり今シーズンが契約最終年となっているDavey Martinez監督との契約延長の話も出ていますが、今シーズンも相変わらずの微妙采配が続き、個人的には代わってくれても一行構いません。昨シーズンのWS制覇のご褒美はあってもいいと思いますが。

さて、この機会なので、Mike Rizzo球団社長、それに前オーナーのTed Lerner、その息子で現オーナーのMark Lernerについて紹介しておきます。

Mike Rizzo, President and General Manager 
MBAなんかの学位を取得し、データ分析をスキルに若くして球団運営に関わる者が多くなってきた昨今のMLBのマネジメントの世界にあって、今や少数派となりつつあるスカウトから出世してきた現場組のGM。父も長くMLBチームのスカウトを務めていたそうで、そういう意味では生粋のスカウトという感じのバックグラウンドを持つ。

自身も大学までプレーし、1982年のドラフト22巡目でエンゼルスに指名され3年間マイナーに在籍したが、そこで現役引退。スカウトに転身し、ホワイトソックス、レッドソックスの地区スカウトとして働いた後、1998年に新設されたDバックスにやはりスカウトとして加入。スカウト歴も15年となった2000年にDバックスのスカウト部長に就任し、2006年まで務めた(最後の2006年ドラフト1巡目で指名したのはMax Scherzer)

2006年7月、球団オーナーに就任した直後のTed Lernerに迎えられ、GM補佐としてナショナルズに加わった。2009年3月、Jim Bowden前GMの辞任に伴い、暫定GMに昇格。同年8月に正式にGMに就任した。その後、2013年に球団社長の肩書きに昇進したが、実質的な仕事の内容は変わっていない。 

GMとしての手腕については概ね高く評価されている(そうでなければ、10年もポストを維持できるわけがない)。 

特に、トレード手腕は高く評価されている。古くは2010年のトレード期限にツインズから獲得したWilson Ramosは強打の捕手として長く活躍し、同時期にレンジャーズから獲得したTanner Roarkはローテーション投手に育った。ナショナルズが優勝を目指すチームに転換する象徴となったGio Gonzalezの獲得は今でも強い印象を残している。2014年にパドレスからスティールしたTrea Turner、Joe Rossの両プロスペクトは、WS制覇に貢献。Lucus GiolitoとDane Dunningという2人のドラ1を放出したことで物議を醸したAdam Eatonの獲得もEatonの2019年の働きを考えれば少なくともウィン・ウィンと言える。WS制覇メンバーではこの他Sean Doolittle, Howie Kendrick、Yan Gomes、Daniel Hudson、Tanner Raineyもトレードでの加入組。 

一方でドラフトの評価は微妙なところ。全体1位で迷いなく指名できたStephen Strasburg(2009)とBryce Harper(2010)、全体1位と言われながら故障リスクでスリップしたAnthony Rendon(2011)は成功したが、それ以外に主力選手を育成できていない。例えば、WS制覇メンバーでドラフトからの生え抜きはStrasburgとRendon以外ではMichael Taylor(2009年6巡目)のみ。 

WS制覇時58歳。

Ted Lerner, Managing Principal Owner 
前球団オーナー。2006年にMLB機構からワシントン・ナショナルズを450百万ドルで購入(モントリオールから球団が移転したのは2005年なのでLernerが購入した時点では既にナショナルズになっていた)。2018年に球団オーナーを長男のMarkに譲ったが、依然として球団経営には大きな影響力を及ぼしている。 

1925年、ワシントンDCの生まれ。裕福な家ではなかったらしい。ワシントン近郊の宅地を中心とした不動産業で財をなし、2016年時点での一族の総資産は52億ドル(途方もない金額ですね)もあり、現在居を構えるメリーランド州では一番の大富豪らしい。球団経営には1970年代から関心を示し、オリオールズの少数株主になった時期もあった。カージナルスを破ってナ・リーグ優勝を決めた10月15日が94歳の誕生日。 

Mark Lerner, Principal Owner 
球団オーナー。1953年生まれの65歳。2018年に父Tedから譲られ、ナショナルズの球団オーナーに就任。 

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