Tuesday, November 17, 2020

Sotoがシルバースラッガー受賞(各賞発表)

コロナ禍の中、予想通りですがスローなオフとなっていますが、シーズン終了後の各賞の発表がありました。言うまでもありませんが、ナショナルズには大変残念な結果となりました。

【ゴールドグラブ賞】
最終候補3人にすらノミネートされず。残念です。

【シルバースラッガー賞】
Juan Sotoが初受賞。これから何度受賞してくれることになるか楽しみです。

【最優秀監督賞】
得票なし。当然ですね。

【新人王】
得票なし。Luis Garciaはまだ資格を残しているので、来季に期待しています。

【サイ・ヤング賞】
得票なし。誰も名前を書いてもらえなかったのは2011年以来。それだけ酷かったということですね。

【MVP】
ナ・リーグはブレーブスのFreddie Freemanが受賞。ナショナルズ勢では、Juan Sotoが2位票3票を獲得するなどで5位、Trea Turnerが7位という結果でした。SotoはAVE/OBP/SLGで全てリーグトップの好成績を残しましたが、チーム成績に足を引っ張られましたね。

Friday, November 6, 2020

2020年シーズンレビュー

ちょっと年末には早い時期ですが、ナショナルズの2020年を振り返っておくことにします。

●総評

コロナウイルス感染症のために3月のスプリングトレーニングの途中で中断し、7月も下旬になってようやく開幕。レギュラーシーズン60試合。30チーム中の16チームでポストシーズンを争う特例フォーマット。ダブルヘッダーは7イニング制。延長戦に入れば無死2塁からスタートなどなど特殊なルールが適用されました。こうしたルールの来季以降の扱いは不透明ですが、ナ・リーグにおけるDHの廃止は編成にも大きく影響してくるので早めに決定してもらいたいですね。 

さて、シーズンです。 

ディフェンディング・チャンピオンとして迎えたナショナルズ。本来なら開幕シリーズでリングセレモニーが挙行され、大観衆の歓呼に応える場面が見られたはずでしたが、試合自体が無観客という状況でオンライン開催のリングセレモニーでは全く盛り上がらず。さらに開幕を前にコロナ関連でRyan ZimmermanとJoe Rossがオプトアウトを選択したことで既に意気消沈という感じでした。 

ヤンキースとの開幕戦を落としてスタート。4勝4敗で迎えた9戦目から4連敗。以後一度も勝率5割に戻すことさえできず、8月末から9月初めにかけて7連敗を喫して実質的にシーズン終了。地区順位も、まだ前半の27戦目で最下位に転落した後一度も浮上することができず、最後の最後に3連勝してメッツに並ぶのが精一杯という体たらく。2011年以来となるシーズン負け越しの、残念としか言いようのないシーズンとなりました。 

コロナ関連で離脱したのは、上述のZimmermanとRossを除くと、開幕直後のJuan Sotoだけ。クラスターが発生したマーリンズやその他の多くのチームに比べれば影響は軽微で言い訳にはなりません。故障者についても特に多かったとは思いません。 

にもかかわらず負けが込んだ要因はいろいろあるかと思いますが、ここでは先発投手陣の不振と試合終盤における低調な打線の2点を指摘したいと思います。 

●投手 

2012年以降のナショナルズが安定した成績を残してきた要因が先発ローテーションにあったことは間違いありません。オープナーなど新しい戦術も生み出される現代のMLBにあって、先発投手に大枚をはたくのは古いと言われることもありますが、Mike Rizzo GMは頑として方針を曲げず、先発ローテーションを整備してきました。昨シーズンもMax Scherzer、Stephen Strasburg、Patrick Corbinの3本柱が大車輪の活躍で、StrasburgはワールドシリーズMVPの活躍。Rizzo GMの方針が間違っていなかったことを改めて示しました。 

ところが今シーズンはその3本柱を中心とした先発ローテーションが崩壊。Strasburgは右腕の痺れで開幕に間に合わず。自身2試合目の初回に途中降板し、手術に踏み切りました。ScherzerとCorbinの2人はシーズンを通じてローテーションを守ったものの、2人とも前年とは比べようもない低成績。Scherzerの防御率3.74はタイガース時代の2011年以来の水準で、WHIP1.381はキャリアワースト。CorbinのWHIP1.569に至っては規定投球回数を超えた全40投手中ワーストという惨状。4番手(実質3番手)以降で先発を任されたAnibal Sanchez、Austin Voth、Erick Feddeらも酷いもので、先発投手全体の防御率は全体27位、WHIPは28位。昨年はそれぞれ2位、4位でしたからその差は明らかです。 

ブルペンも全体で防御率23位、WHIP24位と奮いませんでした(それでも昨シーズンのそれぞれ29位、27位より良かったわけですが)。クローザーのDaniel Hudsonが防御率6点台。メインセットアッパーと期待されたSean Doolittleも大不振の上、故障で早期離脱。防御率2点台を残したTanner RaineyとKyle Finneganの若手2人が数少ない収穫といった程度です。 

●野手 

上で「試合終盤における低調な打線」と書きました。試合を見ていての印象だったわけですが、数字にも表れています。まず、7回以降に逆転した試合はわずか1試合のみ。それもシーズン最終週で、しかも3点のリードから一時は逆転されてからというもの。また、1~3回、4~6回、7~9回に分けてチームOPSを見ると、.843→.768→.669と顕著に下がっていました。同じ数字が昨季はどうだったかと言うと.793→.786→.801。昨年のポストシーズンでの逆転劇に次ぐ逆転劇の記憶が残るファンからすると、終盤の攻撃は淡泊に見えました。勝利への執念を感じないというかなんというか。 

チーム全体のOPS.769は全体で10位と決して悪くなく、個々の成績を見ると、リーグ首位打者(.351)のタイトルに加えて出塁率(.490)と長打率(.695)でもリーグトップのSotoと、足(12盗塁)だけでなく長打力(12本塁打)も見せたTrea Turner(打率.335)の2人はリーグMVPでも得票するであろうパフォーマンスを示しました。それだけに、もったいなかったという感想が残ります。 

若手ではVictor Robles(打率.220)はフルシーズンセンターのレギュラーを任されながらバットで結果が出せず。Anthony Rendonの後釜としてサードを任されたはずのCarter Kieboom(打率.202)も不振でマイナー落ちとなるなど、まだ任に堪えないことを示しました。一方で、Starlin Castroの故障離脱によってチャンスが回ってきたセカンドのLuis Garciaは20歳とは思えない落ち着いた打席でしっかり結果(打率.276)を残しました。また、9月になってようやく昇格させてもらったAndrew Stevensonも鬱憤を晴らすように打ちまくりました(打率.366)。来シーズンの飛躍が期待されます。 

○MVP 

・Pitcher: Tanner Rainey 

・Hitter: Juan Soto 

・Rookie: Luis Garcia 

いずれも今後への期待も込めて選出しました。Garciaはまだぎりぎりでルーキーステータスを維持していますので、来シーズン(Castroが復帰した場合の起用法は悩ましくはありますが)はリーグ新人王への期待もあります。